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アリシアは会議室を出るなりまっすぐ戦闘部の棟へと向かっていた。
そして今でも感じる言い知れぬ違和感について考えていた。
会議ではああ言ってしまったけれど実際確信があるわけではなかった。
ただ自分の中にある何かが『何か違う』のだと知らせていた。
アリシア自身も正直何かあるとは100%信じているわけではない。
「(何もないのを祈るしかないか…) 」
と思った時笑みが零れた。
今まで祈るという神頼みの様なことはしてこなかったアリシア。いつだって信じるのは己の腕だけだった。
「(しっかりしないと…)」
拳をぐっと握り雑念を払う。
その顔はれっきとした隊長の顔だった。
ギィッ
鈍い音を立てて開くのは戦闘部の広間の扉。
その中には60人の男達。綺麗に整列した彼らの前に立っている、金髪の小柄な少年ー基レンだ。
レンはアリシアの姿を見るなり駆け寄ってきた。
「会議お疲れ様です。命令通り全員用意はさせましたが」
とそこで言葉を切るレン。
レンを見て首を縦にふるアリシア。そして隊員達の方を向き指示を出す。
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