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俺……いや、この集落はここ3ヶ月、太陽を望めずにいた。
その所為で作物は不作。飢饉に近く、蓄えのある資本家はともかく、枝葉末端に過ぎない貧窮した人民は餓死を余儀無く迎える。
激しい格差社会だ。
俺は煤けた厩舎の隅で、所々色の変色しているパンを、口に含み咀嚼する。
──苦い。
しかし俺はこんな所で頓挫している場合では無かった。
少しでも貧しい生活から抜け出そうと、二束三文でもいいから少しずつ、金を貯めているのであった。
我が家で腹を空かして待っている、あの子の為に……。
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