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どれくらい走っただろう
路地という路地を走り、ルドのいた場所からだいぶ離れた
気づけば、手を繋ぎ一緒に走っている少女の息は荒くなっている
(さすがに無理をさせ過ぎたか)
テオは路地裏に入り、あまり人目につかない場所で立ち止まる
「あいつらも追ってきてないし、少し休もう」
少女は息を切らせながら コクン と頷いた
十数秒たち、やっと呼吸が落ち着いたようだ
「えっと… 先に君の事、教えてくれないか?」
と聞く
「あ、あの…それよりも…」
と言って少女は顔を赤くしている
「え?何?」
「…手」
少女は顔を真っ赤にして小さく呟いた そういえばまだ手を繋いだままだった
「あ、ああ そういうことか」
と手を離したは良いものの、顔を赤くして俯く少女を見ているとこっちまで恥ずかしくなってくる
30秒経過
ようやく少女がその重い口を開けた
「えっと、私リファ、
リファ=シュルフォア」
「シュルフォアって… あのシュルフォア家か!?」
「うん!」
シュルフォア家は王都でも有名な貴族だ
どこかの一族の末裔だと聞いている
するとさっきの奴等は
「貴族狩り…か」
「貴族狩り?」
リファは貴族狩りが何なのか知らないらしく、首をかしげていた
「貴族狩りっていうのは、有名な貴族とかの人間を捕まえて奴隷市で売り払うんだ その奴隷が有名であればあるほど高い値がつく だからリファは狙われたんだろうな」
説明を聞いたリファは赤かった顔を青ざめていた
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