飴のち、×××

13/13
前へ
/15ページ
次へ
「やっぱり美味い」 私から取り上げた飴を舐めながら奴が呟く。 真っ赤になっているだろう私の顔とは対称的に、奴は普段と変わらぬ顔色で。 それが、私だけがそれを意識してるような感覚にさせて。 なんだかいたたまれなくなった私は、家の方向へ走り出した。 いつの間にか雨は小降りに変わっていた。 後ろから奴が何か言っているような気がしたけれど無視して、ただただ全力で走った。 心臓がいつもよりずっと速く拍動する。 それが走ったせいなのか、それとも何か別の理由からかは分からないけれど。 ふと空を見上げる。 山に架かる虹が空を鮮やかに彩っていた。 飴のち、××× (無意識って罪だと思う) .
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加