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「お2人さん、お先に~。あ!その魔法、後1分くらいしか持たないから気をつけてね。じゃーねー」
突然、レリアの肩を叩いたエフィーは、憎たらしげに笑うと勢いよく飛空挺へ登って行く。
フェリックスもそれに続いていき、2人は取り残されてしまった。
「え?ウソ?マジかよ!レリア、さっさと掴まれ!」
怜人が急いでレリアを呼ぶと、レリアもすぐに、怜人の腕にしがみつく。
先程のレリアとのやり取りの事はエフィーの一言ですっかりと忘れてしまっていた。
レリアもおそらく同じだろう。
そのまま急速に上昇して行った怜人とレリアは、焦った状態のまま、アイアンホークの手すりを乗り越え、甲板の上でようやく、一息をついた。
そこには、仁王立ちのエフィーがいて、にんまりと笑っている。
「ハハハ!2人とも、面白すぎ!あんなの冗談に決まってんでしょ?」
エフィーは大笑いをした後、今度はしたり顔で、2人を見下ろしている。
「はあ!?なんなのよ、あんた!」
それに対して、我に返ったレリアが、憤怒の表情で噛み付いていった。
「最低よ!あんたなんか一生、結婚相手が見つからないまま老いていけばいいのよ!」
レリアの怒りの一言は、エフィーの触れてはいけない場所に触ってしまったらしい。
その場の空気が、果てしなく淀んでいくのを、怜人は感じた。
「なんだとぉ!?もう一度言ってみろ!この、金髪馬鹿娘が!」
女同士の本気の争いに命の危険を感じた怜人は、2人にバレないようにこっそりと部屋に戻ったのであった。
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