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走る、ずっと走る。
この近所にはいくつか公園がある。
それを一ヶ所ずつ当たっていく。
いない、いない、いない――――
やっぱりあれは悪戯メールだったのか…………?
それでも、後一つ、一番近所と言うには遠いような位置にある公園をあたる。
まぁ、何もないだろうと思っていた。
ため息を吐いて、公園に足を踏み込む。
目を疑った。
そこでは、5歳くらいの小さな女の子が、何か大きな影の様なものに襲われていた。
俺は慌てて石を投げる。ダメ元だった。
だがそれは見事に影の様なものにヒットし、影の様なものは瞬く間に消えていった。
「大丈夫?」
女の子に走り寄り聞く。
「…………あ、ありがとうございます…………!!」
女の子は答えた。
俺は、その女の子を支える様にして言う。
「君、お家は?怪我はない?」
さすがに、メールの事は聞かなかった。
女の子は、少し落ち着いた様子で言う。
「大丈夫です。ありがとうございます。…………お礼に、何でも一つ、願いを叶えてあげます」
「え…………?」
立ち上がる女の子をよそに、俺はただ呆気に取られていた。
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