たった一つの願いと幸せ

幸せの始まり

―数日後―
今日は余裕を持って起き、身支度をして、会社に向かう。
あの日の不思議な出来事は、もうとっくに忘れていた。
バカバカしい、完全にそう思って、思う内に忘れていたのだ。
そんなある日だった。
「あ、あの…………」
恥ずかしそうに、女の人が話し掛けてくる。
「なんでしょうか」
いつもの様に答える。
女の人は、尚も恥ずかしそうにしながら言う。
「その…………つ…………付き合って下さい！」
会社の、いつもの仕事場の真ん中で、突然の告白。
その後にも女の人は何かを言っていた様な気がしたが、そんなのは全く頭に入ってこなかった。
とりあえず、メールアドレスだけ交換した。