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(…警察なんかに捕まるかよ、そんときゃ脳天にぶっ放すってーの。)
外から見えないよう、隠したように着けている左胸のホルダー。そこには予備の銃がある。その上にそっと手を置く。
その中には一発だけ、銃弾が込められている。何に使うかは言うまでもない。
イライラを押さえながら頭を掻く。明日もまた何かを盗りに行こう。自分の中にある真っ暗な欲望が収まる気配を見せない。明日は丁度表の仕事である病院も休みだ。
この欲を満たしたい、といのは泥棒(というよりも人殺しに近いが)を始めた一つのきっかけだ。それを満たすものを探している。少し欲がマシにあることはあれど、満たすものにはまだ出会えていない。それを満たすのは宝石なのか、はたまた金なのか、人の命かわからないけれど。
煙草に火をつけながら蛙は闇の中を歩いていく。
残ったのは割られたケースと血にまみれた男の死体だけだった。
(幕)
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