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「よくなついてるね」
「そうかな、餌をくれると思ってるのかもしれない」
ブランコから降り、みくは猫の頭を優しく撫でる。
猫は抵抗することもなく身体を預けている。
「名前はないの?」
僕もブランコから降りて、みくの傍に寄っていく。
「ううん、付けてない。この子昨日会ったばかりなの」
薄い笑みを浮かべ、今度は猫を抱きかかえる。
「可愛いね」
素直に感想を口にした。
「でしょ?」
今度は満面の笑みで言う。
黒猫の方を見ると、猫の眼はじっと僕を捉えている気がして少し寒気がした。
このまま見続けたら取り込まれてしまいそうな眼だ。
突然だった。
黒猫はするっとみくの手から抜け出し、公園の外へすたすたと歩き出した。
「あっ」
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