ガーベラの街

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ハーブティーを飲んだ彼はせき込み、口に合わないと言っていた。 その後、粗茶というものを飲ましてもらった。 苦く、味もよく分からないが、私にはこっちのほうが口に合う気がした。 茶を飲み終えると私は言った。 「そなた、私に農業を教えなさい?」 まさかの言葉に驚いた彼は、つい私の顔を見つめてしまった。 またすぐに背けてしまったが。 「それはいけません…もしも父上様に見つかってしまったら、どうなるか分かりませぬ…」 「いいの!私が決めたの!それと、そなたと夫婦となる故、今日私の家に参るのですよ?」 私がさらっと言うと、彼は洗っていたカップをレンガが敷き詰められ、その真ん中に小さな穴が開いた洗い場に落とした。 カップが割れる音と、彼が勢いよく振り向いた音が私の耳に届いた。 「姫様!なんということをおっしゃいますか!!なりません、僕なんかが釣り合う訳」 「どうして!人間じゃない‥私達、人間同士がなんで釣り合わないの!?そんなのおかしいよ!」 「もう、お帰りになって下さい‥」 彼の表情は見えなかった。せっかく、ほんの少しだけど、彼と目を合わせることが出来ていたのに… また2人の距離は、遠ざかってしまった。
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