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拝啓
そなたは、私が出て行った後、一体どんな気持ちでしたか。
私は悲しかった。父上にそなたと夫婦となる。そう言うとお怒りになられ、そなたを殺すと言っておりました。
でも安心して下さい、私はあるお方と形ながら夫婦にならねばなりません。
そうするしか、そなたを助けられないのですよ。それから一年間、私は外に出ることすら許されず、愛してもいないお方の相手をしなければなりません、ご飯を作り、そのお方に酌して、そのお方のお側にいなければなりません。
しかし、1年が過ぎ、外出が許された時は、どうか、どうかそなたは…そなたの家の前でお待ちしていて下さい。
その時はご一緒にこの街を逃げ出して下さい。
私と一緒に
それと、そなたの家はもう崩れかけております。立て直してはいかがでしょう。
すいません、所々滲んで読みにくいかもしれませんね。
どうか私の勝手を許し、どうか1年後にそなたの家の前で再会できることをお許し下さい。
私は永久にそなたを愛しております。
書き終わった手紙を封筒に入れ、側近に渡した。
窓の外を見ると、晴れ晴れしていて、星が見えた。
「綺麗ね‥」
そう言うと、側近は言った。
「そうでございますね‥」
次の日、父上があるお方を紹介した。私は二つ返事で了解し、晴れて夫婦になったのだ。
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