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彼の家を出ると、私はすぐさま彼の笑顔が頭にこびりついてしまっていることに気づいた。
頭から離れず、それでいて恋しかった。
彼の笑顔、いや…彼自身が、恋しかった。
私の家に着くと、父上が私の姿を見るなり怒鳴った。
どこに行っていた!こんな時間まで散歩を許した覚えは無いぞ!!
父上の言葉には、私を心配するものは何も無かった。
何も言わずに自分の部屋に戻った。
ベッドに潜ったり、窓から月を見たり、どんなことをしていても、私の頭には彼の笑顔があった。
食事の時もお風呂の時も、彼は私に笑いかけた。
目を瞑ると彼がいて、天井を見ても彼がいた。
私は思った。
ああ、これが…恋なんだ
夢の中にも彼が出てきた。
朝起きたとき、私は損した気分に陥った。
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