出会い頭

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    またフラれてしまったらしい。 それよりこれからどうしよう。 どうせ晴れているから、濡れた顔や髪もそのうち乾くだろうし、このまま一人でドライブも悪くないけど、明日も休みだし。 ああ、そうだ。 今回は、携帯の水濡れ被害は免れたようだし、とりあえず先にいつもの報告をしておこう。 『もしもーし。どしたー?』 「記録更新だ。祝え」 初めて水をぶっかけられた席にたまたま居合わせた長年の友人には、これだけで何を言っているのか充分に伝わる。 この報告も、これで五回目だもの。 『あはははっ!また冷や水ぶっかけられたの!?』 「通算六回目だねえ。いい陽気だし、涼しいくらいだ」 『相変わらず、口の減らない奴。またフラれたのかー。あんたにだっていい所はあるのにね』 「例えば?」 『顔?』 「それだけか!」 『あと、ノリ?』 「他は」 『んー……ギャグまでイチイチ古臭い……あ!古風な所?』 「古臭い言うな」 『ホントのことでしょー?どうせ今夜のカラオケでもまた昭和歌謡熱唱するくせに』 「悪いか」 『悪くないよー。んじゃ適当にメンバー集めとくからさ。とっとと車とばしてあんたの大好きな地元に帰っといで』 「らじゃ」    
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