2451人が本棚に入れています
本棚に追加
※葉っぱが乗ってるんですよ…見えにくい…(挿絵統一性なくて不甲斐ない、水彩にハマる。元カラーverは挿絵まとめに載せてます)
「あう…う……」
更に真っ赤に染まる顔を見て、茹でダコみたいだなあなんて思う。
「すき……」
推しにファンサを受けてあまりの刺激の強さに語彙力が吹っ飛ぶアレの現象だね。わかるよ、いや俺のそんな、え?涙を拭いてあげただけなんだけどなあ?
『歩けそう?あ、シャワーとかってあるのかな…とりあえず保健室?』
「えっと、シャワーは保健室にあると…思いま…ううっ」
手を差し出して、震えながらも手を乗せてくれたのでそのまま立ち上がる。シャワー完備の保健室かあ、ふうん?
立ち上がろうとするが、蹌踉そうになる和紗くんの腰を支える。力がほとんど入ってないのか、しっかりめに…これって
「す、すみませ…」
『ううん、無理もないよ』
「あの、その…僕、1人でも大丈夫…なので、」
『それは駄目、こんな状態の和紗くん1人に出来るわけない。俺が許さないよ…ああそうだ…コイツを懲らしめておかなきゃだ』
「浦瀬様……え?」
腰を抜かしててうまく立てないようだった和紗くんが、申し訳なさそうに1人でも大丈夫だと強がるから言い終わる前に即答してやる。俺が至って真剣な表情で一刀両断した為に目を見開いてポカンとしている。可愛いね…!じゃなくて、その辺に落とした金髪クソ野郎をどうにかしよう。
とりあえず、和紗くんの視界に入らないようにと上着を脱いで後ろから頭も被るように掛けてあげる。
「ひえぇ…うらせさま?こ、これは、あの、わぁ浦瀬様のいい匂い…」
『そんな汗はかいてはないと思うけど臭かったらごめんね、これ被って後ろを向いていてね…見ちゃ駄目だよ』
「いい匂いします!!…へ?はい」
ふわああと声を出しながら俺の上着を握りしめている和紗くん可愛い可愛いって眺めてから、金髪クソ怖がり野郎を見やる。
『……いいこと思い付いた』
抜け殻と化した草を手に取り、何やらニヒルな笑いをしながら金髪なまはげ怖がるだろうクソ野郎に近付いた。
「?…???」
後ろで怪しい儀式が行われようとしているが、見てはいけないと言われた通りに素直に後ろを向き両手で目を塞ぐ和紗くんには草の音だけが耳に届いた。
『うーん、ここをこうして〜〜はははは…』
4階のお手洗いから楽しそうな笑い声がするのを、誰かが聞いていたそう。
トラブルに巻き込まれたり首を突っ込んだりしてる夕は鬼ごっこを鬼ごっこしていない。それでいいのか主人公
開始から50分、鬼ごっこ終了まであと1時間10分。生徒会と風紀の交代まであと10分になるが、夕は生徒会の誰一人として出会えてはいない。風紀は出会ったが。いや、出会いたくないが。そういう時こそ、フラグが建設することを夕は良く知っている。まあどうにでもなーれ、と開き直ったりもする。
フラグが立てば、折るまでよ…一々怯えてたら腐っていらんねえや!と謎の自信に満ち溢れていた。過信は良くない。
最初のコメントを投稿しよう!