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『じゃあ、保健室まで行こうか』
「はい…!え、あっ!う、ううう浦瀬様!??」
『ん?どうしたの?』
よしっと立ち上がって、和紗くんにお待たせ〜と振り向いてよし行こうと言ったはいいが、驚きながら目線を背後に向けている和紗くん。素知らぬ顔をする夕。
「懲らしめ…たんですね…」
『まあ、これなら反省するだろう…って思ったんだけど、和紗くんはあんま見ちゃいけないよ…ばっちいからね…』
「はわわわ…」
呆然といった感じだろうか。まあ無理もない、こんなん見たらねえ?金髪の自業自得だけど。蔑むようにちらりと目を向けて、そいつの脚を掴み引きずっていく。俺は怒っているんだよ…例え和紗くんでなかったとしても同じことをする。
トイレ前まで行くと、廊下の壁に寄りかからせておく。見回りの人が回収してくれるだろう。
配置は済んだので、和紗くんの元に戻り。少し悩んだ末
『俺の上着は体の前で持っててくれる?あと、こっちの脚に座れるかな?で、腕を肩に回して』
「へ?…っと、こう、ですか?」
片膝を立てて、そこに座るように伝え腕を肩に回してもらい脚に力を入れて
『そうそう、じゃ行くよ…っしょ』
「うわっ…」
和紗くんの身体を持ち上げた。そう、お姫様抱っこの形だ。流石に自分より大きいと出来ないけれど、うん和紗くん軽いね。階段のことを考えておんぶにしようか悩んだ、ただ横抱きの方が…この子にとっては楽だろうと…思っ…あらら
「はへぁ…お、おひめしゃまだっこ…」
『…ん〜〜〜〜逆上せちまったかなあ!刺激強すぎちゃったか…たしかに好きな人からのお姫様抱っこの威力は絶大だよな…軽率すぎたか…俺の親衛隊だもんな…』
目が点になった後、こちらをボーっと見てたかと思うと顔面爆発したんか?ってぐらい真っ赤にしてショート寸前。すまん、配慮のつもりがダメージを与えてしまった。
『恥ずかしかったら、俺の上着頭から被って顔隠しときな…』
「ひゃい…」
すぐ様、隠れてしまった。あらまあ…と苦笑しているとモゴモゴと聞こえてくるので、耳を傾ける。
「どこも、かしこも…」
『ん?』
「浦瀬様の…匂い……しあわせ…スゥ…」
寝たわ。いや、気絶?このぐらいで幸せになってくれるなら俺もなんだか幸せだよ…。
姫抱きしながら、お手洗いを出る。力持ちって?まあ筋力は普通よりはあるかも?木登りの成果か…
この学園のトイレ凄く綺麗で広めな造りになっていてこまめに掃除されてるんだろうな〜なんて思った。
廊下に出ても、まだ人は戻ってきていないようでシンッとしている。どんだけ草恐れてんだ。少し歩いて止まる、振り返って今出てきたお手洗い前を見る。そこには
ジャージを剥いで、まっぱにされた金髪野郎が後ろ手にジャージで縛られて、身体に直で″私がやりました連れ込んで襲いました″、″悪い子です″、とデカデカ書かれていた。投げ出された足は広げられ、大事なところには草を装着させた。無様な姿である。
『(背中には″祟り神様を怒らせました。祟り神様を見て、私は泡を吹いて気絶しました。″と書いておいた。事実だからね!)』
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