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「はー…とりあえず落ち着いたけど、なんの夢見たらウコンって寝言になるわけ」
「オイイ、ヤメロって蒸し返すなヨ〜また波がくるワ〜」
「…僕も自爆しそうになったからもう止めよう…あとで聞いてみよ」
「いや、聞くんカヨ」
真顔を装っているが、自爆寸前の小柄な子は破顔しそうになるため歯を食いしばりながら声を出している。器用か?
「にしても、このコ…めっちゃタイプなんだケド」
「…まあ、綺麗で可愛いとは思うけど?でも、それで涼音様に特別扱いされていい理由になる?」
「マァ…んー…」
「オイ、悩むなよっ早く縛るなら縛って」
「仰せのままニ」
先程とは打って変わって、剣呑な雰囲気になる小柄な子と夕の顔をマジマジと見つめて舌ぺろする長身は対照的な反応をする。
夕の手首をバンザイする形で縛り上げていく。やけに手際が良いところを見るに、一度や二度ではないのだろう。
「ほんと、縛るの好きだよね」
「アッハ…生き甲斐ってヤツ〜出来たヨ。んー良い眺め」
「変なやつ…で、準備はいい?アンタは頭、僕が胴体ね」
「ハイよ、ってかアンタはねえヨ〜清チャン」
「は?うるさい、チャン付けすんな亜久兎」
亜久兎と呼ばれた長身はソファーに乗り上げ、夕の頭上に移動した。小柄…清は胴体を挟む形でソファーに膝をつく。
「…首にキスマあんじゃんヨ、スズネチャンか?」
「は?ほんとだ…腹立つ」
夕の首元にある痕を見つけた亜久兎に清も目線を寄越す。嫌悪感丸出しの表情をする清に、苦笑するものの気持ち分かるワと返す亜久兎。
「てか、あーくんって呼べよー…こういう子はここが弱いんだヨナ」
「うるさいよ、亜久兎の勘は良く当たるから意味わかんない」
そう言って亜久兎が手を伸ばした先は首元。悲しかな大当たりであった。しかし、実のところ
『なにするつもりですか』
手が触れる前に、動きは止まった。否、止まったのではなく止められた。
夕は起きていたのだ。2人が入ってきた時にはすでに起きていたため、狸寝入りである。狸寝入りしながらウコンって言ってたことになる。寝言で面白いこと言ってやろうとしたが思いつかなくて何故かウコンである。自分で言っておいて自滅しそうになったのは内緒だし、思いの外ウケがよかったみたいで楽しかった。遊ぶな
翡翠が亜久兎を射抜くように見やる。その目に動きを止められたのだ。ここにある翡翠石の何よりも綺麗だった__
「ア…」
「起きてたの?今からだってのに…ねえ、亜久兎押さえ…ちょっと亜久兎なに呆然として…は?」
目が、翡翠が、自分を見ている。体が硬直する。目が離せない。メデューサに見つめられて石化でもしてしまったかのような錯覚。
亜久兎に声は届かない。不思議に思った清は頭上にいる彼を見る、が微動だにしない。目線を追えば、翡翠があった。
流石の夕も時が止まった2人を見ると居た堪れない。この2人を探り入れのために狸寝入りしていたし、なんとなく察したけど。
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スター感謝絵を浦瀬3兄弟に変更しようと思い、描き始めようとしたのですが
精神的に不安定になってきているので、一旦更新自体をお休みに入ろうかと思います。すみません、鬱みたいなもんです…生きるためではなくしぬためには…って考え出すと止まらなくて、良く不安定になるんです。度々申し訳ございません。とか言いつつすぐ戻ってくるかもしれんので、気にしないでください…いつものか〜(?)みたいな感じです。追記 これ言われても困っちまうな!?と思いながら、いつも無言で数ヶ月留守にしてるので、そういう時期があるということだけお伝えしておこうと(今更)思いました、白星
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