新入生歓迎会と…?②

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新入生歓迎会と…?②

 涼音先輩の親衛隊だろうけれど、隊長は知っているのか?愛澤先輩の言うこと聞かん隊員ってことかな。 「うそ、もしかして、いやでも、カラコン…には見えないし、え」 「……」  清は分かりやすく動揺している一方で亜久兎は動かない。 「ちょ、亜久兎…ねえ!オイ!」 「!」  声を荒げた清。その声でビクッと肩を上下したかと思えば、予備動作無しで 『は、…ん゛!?ん、んんー!?』 「………チュ、ク」  気付けば吸い寄せられるように頭上から唇を重ねられ、清を退かし両脚は足で体重をかけて固定された。抵抗の隙すら与えない動きに、呆気に取られ口を僅かに開けてしまう。 亜久兎は()かさず、舌を潜り込むようにして口内を動き回る。息すら奪うような激しいそれに、頭上で縛られた掌は握り拳になり、足を退かすために全身に力を入れた。…はずだった。 「…ぢ、う」 『う、ふぅっ…ぁ!』  思うように身体が動かない。非力なわけではない、ただ…キス上手すぎる!!長い!!酸欠でクラクラする!!息を!させ!ろ!!し、舌吸うなーーー!!!上手いこと力が出ないのはテクで力抜けているのだ。脳がほわほわとしているのは、息継ぎが出来ない為か、それとも 「亜久兎!あーくんっ!やめて!だめだってば!オイ!聞いてんのか!?そこまでする予定じゃないだろ…!」 「………」  どうやら清は止めようとしてくれているのか、焦りながら亜久兎の身体を引き離そうとしている。それさえも、ものともせず無反応であった。否、眼中にないようで気にせず夕に食らいついている。  長すぎる、もう知らん…舌噛みちぎってやんよ鉄の味イヤなんだけど仕方ない 「ゔ………いた」 『…っはぁ!はー…ふー』  思いっきり暴れ回る舌を噛んでやれば、同時に口が離れていく。ペッ吐き出す、血が含んだ唾を横を向いてシャツの袖口に拭う。ざまぁだぜ…息を整えつつ、睨み付けておく。     イケメンはステータスにキスが上手い必須なのか?さくらんぼの柄を舌先で結べるんだろうな、俺は出来ません。 『どけ…おい、離れ』 「……………ほしい」  先輩だろうが敬語なんて知るか、とキツめに声を投げつけた。沈黙の後、小さく呟かれた言葉。ほしい?何を 『あ!?う、アッ…ひ』  あろうことかシャツの中に手を入れて弄り始めた。擽ったさに、身を捩る。側頭部を上下し上腹部、臍部から下腹部まで滑るように行き来する手。触れているだけのはずなのに、擽ったさにむず痒さも混じって逃げ腰になる。  手つきが厭らしく、ぞわりと身震いした。  もうこんなんばっかだな!?鬼ごっこ要素なくなってますが!?心の声が多いのも考えものだなとは思う。意識が逸れるからだ。 『…!?そ、こは…だめだろっ!!いや、全部ダメだわ…っ』 「……あーくん、いい加減にしろよ」 「うるさいナ」  情けない声が出たのは許して欲しい、なんせ弄りまくってた手が突然軌道を変え下へ下へ…肌と布の隙間に手を入れようとしたからだ。尚、シャツではない、つまりそう…下着の。  縄は解けない。縛られた状態で振り下ろして肘鉄くらえ!とやってはみたものの無反応。いやおかしい、それなりの威力はあるはず。俺はそこまで弱くないはずだ。と考えて、恐らくこのテクニシャン身体が鋼で出来てるのかもしれんと変に納得した。強靭な身体の持ち主よ、きっとそう…後に判明するが(あなが)ち間違いでもなかった。     清は頑張って止めようとしてくれてたが、力及ばずで無意味になっていたらしい。ドスの効いた声音で、制止を試みた。  亜久兎の動きが止まる。
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