舞い散る花びらと旋風

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 覆面には数人の仲間が居る。そこまで分かっていながら、彼等を捕まえられないのは、ソラの身体能力が彼等の身体能力に追い付かないことが原因であった。ソラは、この時兄の半分も力が無かったのだ。  式紙が、覆面を乗せて監獄島の空に散る。  屋根の天辺で、ソラは息を吐いた。空に逃げられては手に負えない。ソラにしてみれば、気に食わない展開であった。 「ざまあないね」  自分よりワントーン高い声で、見下した物言いをされて、ソラは振り返る。  ソラと同じ顔がそこにある。違いと言えば髪と眼の色だった。世界にたったひとつという黄色を持つソラの兄、ヒカリが、腕組みして笑っていた。  ソラは、無視して歩き出す。ヒカリには関わりたくなかった。大方、あの覆面達はヒカリの差し金だろう。ヒカリの徒は、歳を増して過激になっている。そのことを母親のエリサは知らない。監獄島の誰も知らない。ソラの味方は、居ない。監獄島にソラの居場所は、無い。 「待ちなよ」  ヒカリが、ソラの前に回り込む。そのまま腹部に拳を入れた。  まともに喰らったソラは、屋根から落ちる。  着地に失敗したソラに、ヒカリが追い撃ちを掛ける。鳩尾を踏み抜かれて、身を丸める。 「どうして、こんなに差がでたのかな?」
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