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同時に、ソラの世界が反転する。気付けば、地面に押さえ付けられていた。
ヒカリが、馬乗りになってソラの動きを完全に封じる。
「君は知らないだろうけれど、僕には目的がある」
「――は?」
「君とはさよならだ」
ソラが見上げる先で、ヒカリか残酷な笑みを見せ付ける。続いて、ソラの身体に更なる衝撃が加わった。倒れているソラには、何が起きたのか理解できない。ただ、全身が痺れて、意識が遠退きそうであった。
ソラは、痛みと戦いながら、ヒカリを睨み付ける。ヒカリの笑みが、歪んでいた。気がおかしくなりそうで、ソラは、歯噛みする。
「僕は、神様に会いに行く」
ヒカリが宣言すると同時に、ソラの意識は綺麗に吹き飛んだ。
春の日差しが、バル山に差し込んでいた。
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