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「そんなん言うてもしゃーないやんか」
スラッと伸びる白い腕をまるで獲物を捕らえるかのように私の首に回し、莉奈はつんざくような口調で私に言った。
『しゃーない』
この女の口癖だ。
河内莉奈という女の内面から溢れでる自信と輝きは、エネルギーとなって外部に放散されていた。
そのエネルギーは、浴びた全ての人を虜にし、麻酔銃に撃たれ神経を麻痺させられた感覚に陥らせるのだ。
更に、色素の極端に薄い肌には不釣り合いな、真っ赤な色に咲く唇はまるで凶器だ。
その唇から発せられる言葉は魔力を帯び、襲いかかってくる。
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