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「そうだよね。うん。私が口出しできる事じゃないもの。仕方がない事だったのよ」
莉奈の魔力に圧倒され、思考回路が停止してしまい思ってもいない言葉を発していた。
カウンター席の右隣に座る莉奈を恐る恐る、横目で見てみると、その、魔力に満ち溢れた唇は口角を吊り上げていた。
首元に回された手はするりと耳元を伝い、頭の上に置かれた。
莉奈の細く白く脆そうな指が這った場所は熱を持ったように痺れていた。
「ウチが悪いわけやないから」
髪の毛を滑らかに撫でながら、莉奈は言った。
しばらくの間、心地よい感覚と、恐怖という感情に取り付かれながら、動けずにいた。
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