いち

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「星那さん顔面はないんじゃないのかな」 「いや、有りだ」 それに、僕の素の力じゃ神に怪我なんか与えられないから。 下を向くと、長い髪が僕の顔を自然に隠してくれる。 なにも言わず 手につい脂を水属性の魔法を使いぱしゃぱしゃと洗い そして、風属性の魔法を使い濡れた手を乾かす。 なんだ意外と魔法って簡単で便利だ。 「もう使いこなしているんだね」 「当たり前だろ」 ぎゅっとスカート裾を力強く握り切り換える。 そして、聖魔君に対してない胸をはって答えた。 別にステータスだから凹んでなんかいないからね。 「じゃあもう出発するかい」 さっきみたいに聖魔君はまた心配そうに、僕を見つめる。 「うん」 その優しい見守るような、心配でたまらないようなその視線に僕はあまり慣れていなくて、でも少しだけ嬉しくてはにかんだ。 「じゃあこれをあげるよ」 聖魔君が小さな小瓶型のネックレスを僕に渡す。小瓶には綺麗な薔薇の装飾が細かくされていて、中にはガラスの小さな小鳥が入っていた。 「魔力を流すと手のひらサイズくらいに大きくなって、星那の世界での携帯電話の変わりになるから、何かあったらいつでも連絡していいから」 「可愛い。聖魔君ありがとう」 僕の手のひらに乗る聖魔君からのプレゼント。 .
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