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「星那さん顔面はないんじゃないのかな」
「いや、有りだ」
それに、僕の素の力じゃ神に怪我なんか与えられないから。
下を向くと、長い髪が僕の顔を自然に隠してくれる。
なにも言わず 手につい脂を水属性の魔法を使いぱしゃぱしゃと洗い
そして、風属性の魔法を使い濡れた手を乾かす。
なんだ意外と魔法って簡単で便利だ。
「もう使いこなしているんだね」
「当たり前だろ」
ぎゅっとスカート裾を力強く握り切り換える。
そして、聖魔君に対してない胸をはって答えた。
別にステータスだから凹んでなんかいないからね。
「じゃあもう出発するかい」
さっきみたいに聖魔君はまた心配そうに、僕を見つめる。
「うん」
その優しい見守るような、心配でたまらないようなその視線に僕はあまり慣れていなくて、でも少しだけ嬉しくてはにかんだ。
「じゃあこれをあげるよ」
聖魔君が小さな小瓶型のネックレスを僕に渡す。小瓶には綺麗な薔薇の装飾が細かくされていて、中にはガラスの小さな小鳥が入っていた。
「魔力を流すと手のひらサイズくらいに大きくなって、星那の世界での携帯電話の変わりになるから、何かあったらいつでも連絡していいから」
「可愛い。聖魔君ありがとう」
僕の手のひらに乗る聖魔君からのプレゼント。
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