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「足見せて」
「えっお前、治癒魔法が使えるのか」
「いいから、早く出して」
「あぁ」
彼は心配そうに足を僕に見せる。
足は青紫色に腫れていて看ているだけでも痛々しい。
とても苦しそうだし、治しあげるついでにギルドに連れて行ってもらえば一石二鳥だといいなーなんて言い訳
「ファーストエイド」
声が震えた。
少しだけ力の入った魔法をまとう手を足にかざすと、痛々しい色の足の腫れは、だんだん引いていき、1分もしないうちに元通りに治る。
だんだんよくなる顔色にほっとする。
「ありがとう。俺は治癒魔法が使えないから助かったよ
俺はエルフのシグナ・アーナス。
お前はなんて言うんだ」
ニコリとシグナは笑い問いかける。
すっかり彼の顔色も良くなり、足もなにもなかったように治ったようだった。
「僕はセナ・ホワイト」
白鳥なんて名字は異世界では使われないと思っていたから、あらかじめ考えておいた名前を名乗る。
白鳥だからホワイト
余談だが無難なのにしようと考えていたが、一瞬スノーバードとかスノーウィングにしようかと少しだけ血迷ったのは秘密だ。
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