♯1 皇月シグナの災難

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俺の手を触手で絡め取り引っ張ると教室の外に連れ出した。 空間を無視して捻れた教室の廊下には、魑魅魍魎な生徒が跋扈する中をソアさんに引っ張られる俺の名は、皇月シグナ 此処では全く珍しくない銀髪で此処では稀少な人間の“顔”をしている。 この学園では唯一の人間(ヒューマン)だ。 そして、異形な生徒達が通う ここ異立モンストル学園 俺みたいな人間が住む世界では、邪神や魔獣と呼ばれ畏怖されながら一部の狂信者からは神として崇められる者達が通う異界の学校 今年から異界と俺達の世界が併合され共学になったこの学校に俺は、学園唯一の人間の新入生として入学したのが半年前、 その前は……… 「曲がるぞシグナ 注意して歩かないとこの前みたいに螺旋廊下に落ちても助けてやらないぞ」 「え、あっ…ちょっと! 俺の大切な回想シーンが!!」 「ほら、曲がるぞ」 人物紹介とか過去とかを含めた回想を無視され俺は、捻れ曲がった螺旋廊下に吸い込まれて行った。
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