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『睡眠障害』という言葉がある。
調べたりしたわけではないから、私も詳しくは知らないが。
簡単且つ簡潔に説明すれば、本来人間が摂るべき適度な睡眠時間が摂れない、正常な睡眠が出来ない症状を総じてそう呼称するとか。
夜に眠れない、昼に眠気がくる、すぐに目が覚める、等とその症状には個人差があるらしい。
つまり、私の『それ』とは、この『睡眠障害』のことなのだが。
これが非常に厄介な症状で、私は自分こそが睡眠障害に悩む者の中でも群を抜いて被害を負った存在なのではないかと思っている。
無論、周りに睡眠障害に悩む人がいないからただの自己申告に過ぎないわけだが。
再び簡単且つ簡潔に説明すれば、私は『眠れない』のだ。
ここで勘違いはしてほしくない。
能天気で五体満足な世間の若者が自慢気に語る『不眠症』なんかと私のそれとでは、雲泥の差という言葉を以てしても表現しきれない違いがあるのだから。
『よく眠れない』のではない。
『眠れない』のだ。
これは大きな違いである。
私の過去を振り返りながら、この症状の重さを説明していこう。
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