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特に身体に変化はなく、朔夜は剣を湊杜に返した。
「じゃあ、今度はこれ」
次に湊杜が渡したのは少し小さめな剣だった。
「小太刀か」
「さっきのより軽い……」
朔夜は手にした剣を眺めたり、軽く振ったりしてみた。
しかし身体に変化はなかった。
「だめか」
「うん……」
私は力の事を何も知らない――そのことが朔夜はもどかしい。
うつむく朔夜に、
「ま、そのうち何とかなるよ。ゆっくり行こうか」
湊杜がそう声をかけ、朔夜が微笑む。
劫癸が朔夜に小太刀の構えを教える。
静かな庭。
心地よい静寂を破る雷の音は、突然聞こえた。
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