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その夜、事は起きた。 朔夜は久しぶりに深い眠りに落ちていた。 「……だ!」 「早く……!」 意識の外から声が聞こえる。 切羽詰まったような声だ。 足音が近づいてくる。 その足音は部屋の前で止まり、 「朔夜!」 襖が勢いよく開いた。 「っ!劫癸……?」 朔夜が慌てて起きあがり劫癸の顔を見た。 劫癸は朔夜に近づき、 「術士がこの屋敷に大規模攻撃を仕掛けてきた」 そう告げた。 「え……!?」 「今はまだ塀の外にいるが……ここまで来るのも時間の問題だ」 朔夜の身が強張った。 「お前の存在が見つかる前にここから逃げる。すぐに支度をしろ」 劫癸はそう言い残すと部屋の外へ出て行った。
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