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塀の外――丁は臨祇の横に立った。
「あの娘は逃げるようですが……」
「そうか……だが、逃がすわけにはいかないな」
臨祇は後ろを振り向いた。
そこには風宇をはじめとしたたくさんの術士の姿があった。
「我々の目的は玖竜元を討つこと。そして朔羅様の娘を手に入れることだ!
この地に守られし戦士達よ、この双樹(そうじゅ)臨祇に続け!」
その言葉を合図に術士は動いた。
「臨祇様はこちらに」
風宇が臨祇に安全な方を指し示す。
「いや……私は元を探しに行く」
「な……!危ないです!」
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