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臨祇は風宇の制止を聞かず、小型の銃を懐から取り出すと、 「土、道を示したまえ!」 地面に向かって一発撃った。 すぐにその姿は消えた。 「おい風宇、臨祇様は?」 屋敷の様子を探っていた丁が戻ってきて、風宇に尋ねた。 「それが……もう中に」 丁はそれを聞き、思い切り顔をしかめた。 「まったく……あの人は!」 「劫癸!」 支度を終えた朔夜は劫癸を呼んだ。 すぐに劫癸――それと湊杜がやってくる。 「では行くぞ」 3人は庭を静かに通り抜け、屋敷の裏門に向かった。 「これからどこに行くの……?」 「玖竜の山だ。しばらくはそこの小屋に居てもらう」
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