集団自殺

2/2
前へ
/236ページ
次へ
この話は実際に新聞に載ったという前ふりで聞いた話ですが、 私は実際にその新聞を見ていないし何年前かも分からないので、 話を怖くさせるスパイスだと思って聞いてください。 ある高校生の男女各4人が、一人の家に集まって怖い話をしていたそうです。 夜もふけてきた所で、肝試しに行くことになりました。 でも本当の目的はむしろ、男女ペアになって行くという事のほうが楽しみだったので、 場所は安直に彼らの通う高校に行くことにしたそうです。 しかしこの高校は築100年近くたっていたので、行って見ると思ったより迫力があります。 早速男女ペアになって、一組づつ学校の周りを一周することになりました。 校内には入れなかったので、周りを一周するだけならせいぜいかかる時間は20分ほどです。 まず最初の1組が出発しました。皆でひやかしたりしながら、にぎやかに去っていきました。 しかし、20分たっても30分たっても戻ってきません。 2人っきりで何をしてるんだろうかとひやかしながら、2組目が出発しました。 しかし、やはり彼らも帰ってきません。 3組目が出発することになりました。 このころにはさすがに深刻になってきていて、絶対周ったら戻ってくるし、 他のやつらも見つけたら連れてくると約束して出発しました。 そしてこの3組目も戻ってきません。 一組目が出発して、既に時間は2時間以上立っていました。 とうとう女の子は泣き出しました。 残ったもう一人の男の子が、 「俺が行ってくる。もし30分たっても俺が戻ってこなかったら警察へ行け。 絶対待つなよ。」 と言い残して駆け出しました。 そしてその子も戻ってきませんでした。 残された女の子は泣きながら、それでも1時間待ったそうです。 そしてその足で、警察へと向かいました。 警察官が探しても見つかりません。 しかし、夜もすっかり明けた頃に、とうとう7人は見つかりました。 その高校にはグラウンドの端に、古くなった旧体育館があるそうです。 そこのトイレを開けると、7人全員が首を吊っていたそうです。 女の子の証言から、自殺する理由がないと思われたのですが、結局他殺の痕跡はなく、 受験生の集団ヒステリーとして片付けられたそうです。 その学校には、これといった怪談話もなかったそうです。
/236ページ

最初のコメントを投稿しよう!

175人が本棚に入れています
本棚に追加