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それからあの子は、僕の隣にいることを止めた。
自分で拒絶したのにもかかわらず、僕も言葉ではあらわせないなにかモヤモヤとしたものが日に日に溜まっていくのを感じ苛立っていた。
理不尽で身勝手。
それなのに僕はあの子に声をかけようとすらしなくなっていた。
そして、あの日。
僕は教室に飛び込んできたある生徒の言葉に愕然とした。
あの子が、自殺をはかった。
屋上から飛び降りたんだと。
目の前が真っ暗になるような錯覚を覚えた。
なんで、どうして。
そんな意味のない問いが頭の中をぐるぐると周って。
あんな、怖がりで弱い子が自殺なんかできるわけがない。
そう必死に思いながらも食べかけの昼食は喉を通らず、チャイムの音すら耳に入らなかった。
『皆さんにとても残念なお知らせがあります。先程、クラスメイトの×××××君が搬送先の病院で亡くなりました』
授業も始まらずに自習となったクラスに暫くして暗い顔で入ってきた校長の言葉に頭を殴られたような思いで、のろのろと俯いた。
あの子が…死んだ……?
嘘だ。
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