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嘘なんかあるわけないのに。
あの子を死に追いやったのはきっと僕だ。
〝離れないで〟
〝怖いよ…〟
〝一人にしないで…〟
頭の中を小さかった頃のあの子の声が反響しては僕を苛んだ。
いつも側にいた彼。甘えん坊だったあの子。
〝大好きだよ〟
家柄も気にせずに一番最初に笑いかけてきてくれた。
〝ずっと僕と友達でいてね〟
つ…っと知らずにこみ上げ、目から溢れた涙が頬を伝い落ちる。
〝――僕、優弥のこと信じてるから。絶対裏切ったり一人にしないから…〟
「あぁあぁああああぁああああぁああぁあぁああああぁああああ…!」
もうごめんねと謝ることすらできない。
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