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その時、僕は目がさめた! 夢だったのか! だけど、 通常の夢とは一線を画したモノだった。 リアルな情景、克明に脳裏に焼き付けられた内容。 僕は過去に予知夢を経験しており、 この度の夢がその類とは違う事も確信していた。 予知夢も同様にリアルな情景で、 克明に頭に刻み込まれたストーリ ーではあったが、 今朝の夢はハチャメチャなストーリーである部分が予知夢とは全く違っていた。 故に、夢の話しは妻には告げず、 いつもの様に服を着替え、 顔を洗って職場に向かった。 僕は広島市に隣接する 鶴野町(つるのちょう)で 《美容室安全地帯》 を妻と二人で経営する美容師だ。 自宅から美容室までは、 3軒隣で歩いても1分もかからない。 だけど、 その日は美容室に着いて朝の掃除をしながらも、 ずっとあの夢の事が気になっていた。 2005年3月29日(火)の朝だった。 掃除を終え、 暫くして朝一番のお客様がご来店された。 近所に住まれておられた、 織田明(おだあきら)くんだ。 織田くんは父親の経営する電気工事会社で働いている。 織田電工の長男。 平日の朝にご来店される事はごくごく稀な事だ。 連日、仕事が忙しくて髪を切る暇が取れなかった事から、社長(父親)に掛け合って、 カットの時間を貰ったらしい。 美容室の開業依頼のお客様で気心も知れている事から、 僕は織田くんに今朝の夢の事を話しながら、カットを始めた。
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