8/15

541人が本棚に入れています
本棚に追加
/752ページ
それから、6日が経過して、4月4日。 この日は美容室の定休日で 納車されて、2週間経つか経たないかの車を洗車していた。 7人乗りのワゴンで背の高い車なので、 アルミの洗車台を使い ルーフ部分の拭き取りをしていた。 一通り拭き終え、 洗車台から飛び降りた瞬間、 そのはずみで、 アルミ洗車台が転倒し車の横っ腹に勢いよくぶつかった。 「ヤってしまったぁ~」 洗車台がぶつかった部分は、 凹みこそ無かったが、 ほんの少し塗装がハゲてしまった。 こんな形で車に傷をつける何て、初めてだ。 「悔しいィー」 買ったばかりで、 車屋さんで塗装してもらいたい所だが、 最近、 美容室の売り上げが下降線を辿っており、 節約の為カー用品店でタッチペンを買う事にした。 僕の住む鶴野町にはカーショップが無いので隣町の山田町へ車を走らせた。 車が県道にでる直前、 あれっ?息子だ! 中学3年生の息子、光一(こういち)に間違いない。 月曜日の真昼間に、 野球部員の光一が帰ってくる事は 今まで、一度もなかった。 僕は目を疑った。 聞くと、 職員会議で授業も午前で終了し、 クラブ活動も特別に今日は休みになったらしい。 クルマの傷の件を説明すると、 「じゃあ、俺も一緒に行ってもいい?」 そんなこんなで、僕は光一と一緒に山田町に向かった。
/752ページ

最初のコメントを投稿しよう!

541人が本棚に入れています
本棚に追加