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それから、6日が経過して、4月4日。
この日は美容室の定休日で
納車されて、2週間経つか経たないかの車を洗車していた。
7人乗りのワゴンで背の高い車なので、
アルミの洗車台を使い
ルーフ部分の拭き取りをしていた。
一通り拭き終え、
洗車台から飛び降りた瞬間、
そのはずみで、
アルミ洗車台が転倒し車の横っ腹に勢いよくぶつかった。
「ヤってしまったぁ~」
洗車台がぶつかった部分は、
凹みこそ無かったが、
ほんの少し塗装がハゲてしまった。
こんな形で車に傷をつける何て、初めてだ。
「悔しいィー」
買ったばかりで、
車屋さんで塗装してもらいたい所だが、
最近、
美容室の売り上げが下降線を辿っており、
節約の為カー用品店でタッチペンを買う事にした。
僕の住む鶴野町にはカーショップが無いので隣町の山田町へ車を走らせた。
車が県道にでる直前、
あれっ?息子だ!
中学3年生の息子、光一(こういち)に間違いない。
月曜日の真昼間に、
野球部員の光一が帰ってくる事は
今まで、一度もなかった。
僕は目を疑った。
聞くと、
職員会議で授業も午前で終了し、
クラブ活動も特別に今日は休みになったらしい。
クルマの傷の件を説明すると、
「じゃあ、俺も一緒に行ってもいい?」
そんなこんなで、僕は光一と一緒に山田町に向かった。
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