幼い日々

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私は天界(いわゆる天国)の風を司る国、ノイ国に生まれたの。 私の家は王家家系だった。 母親は風谷家の長女、凛奈(りな)。 父親は隣国、ネイクレム(森の国)の次男で婿養子に来た祐太郎(ゆうたろう) 2つ上の兄は風谷家で一番最初に生まれた子だから自動的に凛(りん)。 風谷家では必ず名前のどこかにこの凛という字が入ってなければならない。 だから私は風谷の名字で凛々杏と名付けられた。 私の記憶にはないけれど、2歳までは王家で幸せに暮らしていたみたい。 ーーー父親がネイクレムから裏切り者とされるまでは。 私が1歳半のとき、事情があってネイクレムとノイの友好関係が悪くなった。 その後ネイクレムとノイの友好関係は悪いまま修復の見込みがなくなった。 父親と私のいとこの凛太(のちの蘭丸)の父親はネイクレムの王家からの婿養子だったためノイの味方についたとされ、ネイクレムから追われる身となった。 しかしノイもネイクレムからのスパイとして父親と凛太の父親を追い始めた。 私の父親は時空の狭間に逃げ(タイムワープ的なやつ)、凛太の父親は自殺してしまった。 その後私と兄と母、凛太と凛太の母の凛佳(りか)は王家を追放されることとなった。 王家から追放された私と兄と母は、風谷から父のノイ国に来てからの旧姓『市田』を名乗ることになった。 そして名前も変えることになった 市田美里(母) 市田翔性(兄)※しょうせい 市田美性と。 ノイ国の外れの家に引っ越した。 ………と言っても国全体はひとつの町になっているので外れと言っても外れに見えない。 そして凛太の家も父親の旧姓、蒔田(ときた)になった。 もちろん名前も変わり、真梨亜(母)と蘭丸となった。 私の引っ越した家の2軒隣の家に翔性と同学年の男の子と私と同学年の弟が住んでいた。 ーーーこの2人との出会いが後の私の運命をさらに残酷にすることとなる。 その2人の名は近藤正広(兄)と優也。 私と翔性は正広と優也とは仲が良く、毎日のように一緒に遊んでいた。 追放されてから5年、こんな日々がずっとつづくのかと思っていた。 そんなある日のことだった・・・・
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