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「そういえばしょうもみせーも学校が午前中で終わることをママに言い忘れてたなぁー。ママ、家にいるかなー?」
「だいじょーぶなんじゃない?いなくて家入れないならしょうと一緒にうちにおいでよーww」
優也の家の前へついた。
「じゃあもしなんかあったらおいでーー」
「うんwwばいばーい」
そして家に着く。
ドアは開いた。
しかしリビングのドアを開けた瞬間・・・・・・
目に飛び込んできた光景は、小学生が見ていいものではなかった。
その光景とは・・・・母と知らない男の人が絡み合っている光景だった。
「・・・・・ママぁ?」
と言おうとした瞬間、口をふさがれた。
振り返ってみると・・・・・・・・・・
険しい顔をした兄がいた。
そしてそのまま兄の部屋に連れて行かれた。
「・・・・・。みせー、大丈夫か?」
泣きそうな顔の私を見て兄が言う。
「・・・・・・・。うん。」
私は兄を心配させないようにうなずく。
でも内心何が起きていたのかわからない。
・・・・なんだったんだろう。「ちょっと外に行こうか。」
白亜の森の中にある白亜の湖に着く。
白亜の湖はどういう仕組みかわからないが、王家家系のひとしか行けないようになっている。
王家家系の人以外はたどり着けない幻の湖だ。
ここなら安全だと考えたんだと思う。
そしてようやく兄が口を開いた。『美性………』
険しい顔つきで兄はこう言った。
兄はもしかしたらもっと前から親がこんなことをしているのに気づいていたのかもしれない。
『俺が美性を守るから。……美性には俺しかいないから。だから俺を信じて。』
兄も相当辛いのに、こんな強がりを言った。
この言葉は後に永遠の約束(まもり)となる。
そのあと家の前に着いた私に得体の知れない恐怖心とともに、震えがきた。
『美性……?こわいの?』
と言って兄が私の顔を覗きこむ。
どうしてかわからないけれど涙が止まらない。
『……………』
兄は何も言わずに私の手を引いて歩き始めた。
三軒先のあの家まで。
正広が出てくる。
『………どうしたの?』
正広の耳に手をあてて兄が事情を話す。
そして兄は家を出ていった。
私をそっと抱きしめた。
『………辛かったよな。こんな小さいのに可哀想に……。俺も優也もみせーの味方だから。何でも頼っていいんだからな。目の前で泣いたっていいんだからな。』
兄が戻ってきた。
『もう大丈夫みたいだから。帰ろっか。』
正広の家を出る。
そして自宅に戻った。
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