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その後、1時間ぐらい経つと兄と正広が帰ってきた。
優也がなんの話をしていたのか問うが、兄は答えない。
正広はすでにあきれ顔。
あまりにしつこいので、正広が
『ナマコの排出物についてだよ。そんな話聞きたかったか?』
と言った。
当然だが2人して、
『おぇーーきもちわるっ』
と言った。
でも私にはなんの話をしたのか若干の理解は出来ていた。
そのあと4人で食事をした。
4人で食事をするのは久しぶりだった。
夕食にピザを焼いて4人でペロリと食べきった。
会話も弾んだ。
とても楽しかった。
改めて思う。
ここが私の居場所だ、と。
何があっても守らなければいけない大切なものだ、と。
しかしこの大切なものは王家関係者という残酷な運命によって奪われることをこの頃の私はまだ知らない。
しかし、時は迫る。
私達の別れ、まで。
次の日の朝、優也が迎えに来た。
こんなこと、あんまりないのに。
そして『みせーにこれあげる』と言ってあるものをくれた。
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