プロローグ

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「お前、いつまでそうしてんの?」 ノックもせずに部屋に入ってきた弟が目の前までやってきて腕を組み、仁王立ちの状態で見下ろしてくる。 文句ありげな弟をガン無視であたしはコントローラーを握りしめ、イケメンが微笑むゲーム画面とにらめっこしていた。 お目当ての彼の好感度を上げる為に用意された選択肢は三つ。 どれを選択するかによってエンディングが大きく変わってくる恋愛シュミレーションゲーム。 「……ここはやっぱり、一番の相手を信じて自分から言ってくれるのを待つかなぁ」 よし、そう意気込んでボタンを押そうとした矢先に、突然画面が真っ暗になる。 「え!? ちょ、あんた何してくれちゃってんの!?」 コンセントを引っこ抜いた弟。 極上ルートに進むのか、ノーマルエンドで終わるか、ここは重要な選択問題だったのに…… 「宮が俺の話聞かないのが悪い」 「だからって、あんた……ここ数日分の努力と結晶を……」 ショックのあまり震えるあたしの手からコントローラーを引き抜き、代わりに一枚の髪を渡してくる。 それはあたしの履歴書だった。 「……嫌だ、働きたくない。あたしはもう社会に貢献できなくていいの。一生家族に寄生しながら生きてくって決めたの。だからコントローラー返して」 「堂々とすねかじり宣言してんじゃねぇよ、コラ」
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