420人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
逃げながら携帯を取り出して電話をかける。
プルルルプルルルガチャ
『もしもし蒼ちゃんかい?』
「はぁ…紅、いい加減にちゃん付けは辞めてくれ。」
かけた相手は俺が唯一信頼している彼女。
雨宮 紅火(アマミヤ コウカ)
俺と紅は孤児だった。
物心つく頃には一緒にいて、なんやかんやで付き合い初めて。
今では同居しているくらいだ。
『別に今更…いいじゃないか?
それより息が少し乱れてないかい?』
「後でじっくり話し合おうか…
リア充野郎から逃げてる途中だからな、あいつ無駄にしつこい。」
『御愁傷様(笑)
それで、電話の要件はなんだい?』
「(笑)ってなんだ(笑)って!
走り回って腹減ったから飯は多めで頼む。」
家までもう少し、後は目の前の公園を横切れば直ぐだ!
「待ってよ鬼原君!」
『だってさ、鬼原君?』
「無視だ無視…
それから鬼原君言うな。」
神城を無視して公園を出ようとするて家の前で手を振っている紅が見えた。
俺なんかには勿体ない女だ…
「ッ─────!!!??
蒼ッ避けろ!!!」
見とれていた俺はハッと元に戻ると、すぐそこに黒塗りのトラックが迫っていた…
避けようにもトラックの幅は道路ギリギリだ。
最初のコメントを投稿しよう!