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その言葉に困惑の表情を浮かべたのは、志狼の方である。
手にしたままだった紙に視線を落としながら、朗読するように言葉を紡いだ。
「…『親愛なるロボット愛好家の皆様へ。私の秘密基地にご招待いたします』みたいなことは書いてあるんだが」
『ぶっ。あいつ、どんだけアバウトな紹介してんだ……まぁ本来なら、おおっぴらに公開していい場所じゃないんだがな』
困った様子を伺わせるセイバースターだが、悩んだところでどうしようもない事態である。
そもそも今回の企画は、そこまで肩肘の張ったものではない。
ならば下手に難しく考えるよりは、堂々としている方が気が楽なのは確かであった。
『とりあえず、行けば分かるってことにしとくぜ。1から説明すると長くなるしな』
説明の手間を惜しんだセイバースターは勿体ぶるかのように言葉を濁らせる。
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