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「…完成だ!」
人工的な明かりに満たされた閉鎖空間に置いて、一人の男の歓喜の叫びがこだました。
その目前に備えられたのは、水族館にでも設置されていそうな超巨大ガラスケージである。
謎の液体に満たされたその中央に、薄気味の悪い気配を纏った何かが鎮座していた。
それが何であるかを知るのは、今まさに歓喜の笑いを振りまいている目前の男を除いて他はない。
「未知なる生命体、未知なる文明…その結集によって生み出された力は、まさしく最強と呼ぶに相応しいものだ…!」
つまるところ、それが彼の成し得た”研究成果”なのだろう。決して若くない彼の人生を費やした、集大成であるに違いない。
だからこそ彼の視野は狭く、最強足り得るというただ一点のみを見据えているのである。
「この世界に恨みなど無いが…この私の研究成果の、実験台となってもらおうか…!」
自らが成した成果を、ただその目で確認したが為だけに。男は無邪気に、無慈悲に、行動に移す。
その為に何が犠牲になるかなど、省みることも無いままに。
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