第二章 不安

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 そこまでされては敵わないとばかりに、ジークは抵抗を諦めて足を進めながら、肩越しに背後を振り返る。 「そこまで言われては仕方ないね。それじゃあみなさん、後はよろしくお願いしますね」 「「は、はい」」  完全に圧倒された形となった本来の料理人たちは、呆然と返事を返すことしか出来なかったのである。  ジークと共に足を進めながら、かおるは声に出すことは無かったものの、内心で冷や汗を掻いていた。 (……あらかじめ連絡受けてはいたけど、ここまでの料理好きなんてね。こりゃ、ストッパー役の子も一緒に呼べば良かったなぁ)  もう少し時間を掛ければ良かったかなと、自らの行動を振り返るかおる。  だが時間は戻らない。今進めている話を押し留める程に、その後悔は大きなものでは無いのだ。 (ま、なるようになるわ。悪い人じゃなさそうだしね)  楽観的な意見でまとめたかおるは、ジークと共に笑顔のまま通路を行く。
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