11人が本棚に入れています
本棚に追加
「或いは、大事の前触れと?」
確認のためのかおるの一言を、オペレータは即座に肯定する。
『”こういう事態”に関しては、貴女の方が詳しいかと思いまして』
その一言には、かおる自身納得せざるを得ない。
今の彼女が立つ立場とは、”そういう事態”に対処する為に存在すると言っても、過言ではないからである。
「……セイバースターは?」
聞き返したそのタイミングで、通信に割り込んできた音声が響いた。
『丁度今しがた、2人を送り届けたところだぜ。で、どうすんだ?』
別行動していた、当のセイバースターである。
回線を通して、全ての話を聞いていたのだろう。ならば改めて状況を説明する必要は無かった。
「申し訳ないけど、調査をお願いできる? 何事も無ければそれで良いんだけど…」
『多少の荒事なら、俺一人でも対処できるだろうって計算か。ま、俺に異論は無いぜ』
あくまでも低姿勢のかおるに苦笑を漏らしつつ、セイバースターは快く引き受ける。
最初のコメントを投稿しよう!