第三章 紹介

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 傍らの志狼もまた、吹っ切れたと言うには少々足りないにしても、持ち前の前向きさが作用したことで我を取り戻し、歩を進めながら問いを発した。 「まぁ、基本一本道だったからな。んで、俺たちは何でこんな場所に呼ばれたのか、そろそろ教えてくれねぇか?」  かおるの様子から察するに、裏があるとは到底思えない。  故に疑っているとまではいかないものの、ことここに至るまで招待を受けた”理由”が見えてこない、という一点がどうしても引っかかってしまうのである。  そんな至極当然の対応に対して、当の本人であるかおるはというと、何とも不思議そうな表情で首を傾げて見せた。 「え。招待状に書いてなかったっけ?」 「あの、ロボット愛好家がどうとか書いてあった奴か? だから、それだけじゃどういう意味なんだか…」  完全にウケ狙いで書いた文章であると思っていた志狼にしてみれば、自分の疑問は正当なものであると疑いようも無い。
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