第四章 襲撃

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 東京湾へと辿り着く一台のパトカー。  セイバースターは車体前方に取り付けられたカメラ越しに、水面の様子を探っていた。 『聞いた話じゃ、この辺りだな…さて』  視界に入る情報だけでは、特に異常は見られない。  報告によれば、東京湾の南東部に突如出現した高エネルギー体は、ゆっくりと沿岸部に向けて接近してきているようである。 (動きが停止したって話も無い。時間的に考えると、そろそろ接触しても良い頃合いか)  海面に目立った気配は感じられない。が、その静けさは逆に不安を掻き立てる要因ともなる。  嵐の前の静けさとはこういうものかと、彼は内心でため息を吐いた。
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