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当然、特に疑われることもなく終わった。
シェリアは『年上でなくて安心しました』と言ってきたが。
残念、年上なのだよ。
その数日後には編入試験が行われた。
一応戦闘もあったが、手合わせ程度の軽いもので大した意味はなさそうだった。コイツらが英雄だからか?
本番は学力・・・。つまり筆記テストのほうだ。こっちの世界も学力は大事だ。
つーか、こっちの数学ってあくびが出るほど簡単なんだよ。マジで。
だが、それ以外がマジキチだった。
社会系だ。この世界の歴史とか何もわかるわけがない。
ぶっちゃけ試験中もう寝ようかな? と考えたが、それでは俺の学園ライフに幕が閉じてしまう。
金色のガッシュベ○という作品があってだな。その作中にはアンサートー○ーというチートな力がある。
その目で見たものはなんでも答えがわかるんです、ハイ。
この力でマジ余裕だった。
だが、さすがに重力を発見したのは誰か? という問題で答えが『ニュートソ』の時は吹いた。怒られた。
さらにその数日後、時間的には買い物した日から1週間と2日。
それが今日。つまり、学園に通う日なのだよ。
制服は支給された。紺色のブレザーになんか赤いネクタイ。
なんで学ランはなくてブレザーはあるんだよ。
何はともあれ・・・。
「今日で、お前ともお別れだな・・・」
感慨深く、俺は学ランを待ち上げそう告げる。
ちなみに今は部屋に一人だから、発見されたら死ぬ。
「・・・世界が変わっても、お前だけは付いてきてくれた。本当に、嬉しかったんだぜ?」
ヘヘ、と少し悲しそうに微笑む。
やっべ、楽しくなってきた。
「けど、さよならじゃない。お前は、頑張りすぎたからな。少しだけ・・・休んでくれ」
そう言いながら優しくベッドの上に学ランを置く。
「お前の代わりは、このブレザーちゃんにやってもらう。ハハ、なぁに浮気じゃねぇよ」
「・・・じゃあな、相棒」
背中を向け、そう告げるその姿はどこか悲しそうだった。
震えながら、ブレザーに袖を通す。
数分間かけてブレザーを着用した。そして、鏡の前でこう言う。
「うひょー。ブレザーかっけぇ!」
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