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「意味がわからんな。リンヤの強さについてか?」
「いや、まぁ違うとは言い切れないんだが・・・」
カインにしては珍しく歯切れが悪い。
「お前の知っている通り、俺は悪魔を宿している。
当然、悪魔の力を使えるんだ」
「?
あぁ」
当然のことを説明しだして、なんだ?
「そして、悪魔というより魔物全般に言えることなんだが、奴らは魔力を探知できるということもお前には話したよな?」
「あぁ」
適当に相槌をうつ。
「俺はあの時一瞬だけだが、リンヤ君の魔力を感じ取ったんだ」
「まぁ、そうなるわな」
「人間、というかこの世の生物であれば必ず魔力はある。少なかれ多かれな。数値で例えると最低でも1はある。これは絶対だ」
「何が言いたい。リンヤの魔力が多すぎだとでもいうのか?
だとしたら、不思議じゃないだろう。むしろ納得だ」
あんだけ強いんだ。
魔力量が馬鹿げていてもなんら不思議じゃない。
「・・・逆だよ」
「あ?逆?」
「そうだ、真逆だ。リンヤ君には"全く魔力がなかった"んだ」
「は・・・?」
驚く、どころの話ではない。
というより、これは冗談と捉えるほうがまだ現実味がある。
「何を言っているんだ!魔力がないわけねぇだろ!なけりゃ死ぬんだぞ!?」
「そうだ。かつてに魔力がなくなり死亡したという前例があるからな。
もはやこの説は絶対だ」
「ほ、本当にリンヤに魔力がねぇのかよ!!お前の勘違いじゃないのか!」
「そんな訳ない。その時はちゃんと周りの連中の魔力は感じ取れた。
リンヤ君以外はな」
「う、嘘だろ・・・」
もし、本当ならリンヤは人間なのか。
そう疑わざるをえない。
幽霊とでも言われたほうが納得だろう。
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