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「あぁ?天界が騒がしいな。まさか、今更神共は異変に気づいたのか?」
不機嫌そうに言葉を放つ者が一人。
そこは、真っ白い空間と表現するのが的確か。
だが、色も何もないとも取れるこの空間はまさに摩訶不思議なところだ。
そんな場所で不機嫌な声を放ったのは、黒い者。
肌が黒いとか、そんなのではなく文字通り黒い。
まるで、影を立体化させたようだ。
そう、ここまで特殊な特徴を持つ者はたった一人。
臨也を異世界に送り出した張本人の自称神である。
「まぁ、あんな奴らは放っといていいか。それよりも・・・」
そう言う影の視線の先には、3Dのモノグラムのような立体映像がある。
そこに写っているのは、森を歩いている少年少女達。
園崎 臨也たちだ。
「ククッ、いい感じの方向に進んでるじゃねぇか・・・。俺の目に狂いはなかったな」
そう言う影の目は、といっても眼球があるわけではないが。
とにかくその目には、新しいおもちゃを与えられた子供のような目だ。
最も、そんな穏やかではないが。
「にしても、園崎を送り込んだ瞬間に『アレ』は出来ているはずだよな・・・。
まだ慣れていないのか?ま、時間はかけてくれたほうが助かるがね。
オレ的にも、園崎的にも」
ククッ、と不敵な笑いを漏らす。
「それに二人も"異変"に気づいてるみたいだ。
これは嬉しい誤算だな」
「もう少しで神共も動き出す頃か・・・。
いいねぇ、盛り上がってきたじゃねぇか!」
影の声が荒がる。
「ここからが本番か。
さぁて、その『世界』はお前にくれてやる。殺すも生かすもお前次第だ。せいぜいオレを楽しませろよ?
園崎」
そして物語は始まる。
ゆっくりゆっくり、だが確実に動き出す
その結末は最悪か。
それともハッピーか。
結果なんて、誰も知りはしない。
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