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「…ん…。」
窓から射し込む太陽が眩しくて目が覚める。
「ここ…?」
見覚えのない白いベッド。
その独特な雰囲気から、ここが病院だと理解する。
私、何で病院に…?
記憶を辿れど、全く思い出せない。
痛っ……!
思い出そうとしたその時、急な頭痛が私を襲った。
「…はぁ。」
ため息を漏らした、その時だった。
ガラガラッ
「?!」
『お、目覚ましたか。よかったよかった』
そう言って笑った彼は、黒くさらさらした髪に、細身な体。
整った容姿、爽やかな笑顔。
そんな完璧なものが揃いに揃ったような人間だった。
…でも、
『まじ心配だったかんねー。腕引っ張ったらいきなり倒れるし、長い時間意識はないし』
「あ、あの…!」
『ん?』
「失礼ですけど、あなたは…?」
分からない。この人は誰?
『あっ、そっか』
思い出したようにそう言って、その人は私の目の前の椅子に座った。
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