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「いってー」
その一言ではっと我に帰った。
「すすすいましぇん!」
咄嗟のことに咄嗟の反応が出て咄嗟に謝ったらこうなってしまった。
「チッ…ったくよ、気をつけろよな…」
「…」
ギロっとこちらを睨み付けた彼の目には冷たい侮蔑の感情があるように思えた。
彼はもう一度私を睨み付けてから、教室へズカズカ入っていった。
中学時代に鍛え上げられたはずの私の石ころメンタルは今にも崩れ落ちてしまいそうだった。
だが、こんなとこに突っ立ってたら後続者の邪魔に成り兼ねるので、俯き加減でクラスへと一歩を踏み出した。
―今思えばこれが駄目だったのだとはっきりわかった。
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